マンションの場合、「専有面積五〇平方メートル以上」は公庫融資を受けるための一つの基準だが、同時に贈与や住宅ローン控除などの優遇税制を受けるための条件にもなっている。ところが五〇平方メートル以上の広さがあって公庫融資は受けられるのに、なぜか住宅ローン控除などの優遇税制は受けられないという奇妙な「事件」が頻発している。約二〇戸あるマンションのうち十数戸が軒並み「事件」に巻き込まれるケースも出ている。これは公庫と税務署の面積の算定基準の違いに原因がある。通常、マンションの広告用チラシや販売用パンフレットなどに記載される専有面積は、壁の中心から測定する「壁心面積」で、公庫はこれを基準に融資を行っている。これに対して税務署が住宅ローン控除などの優遇税制の基準に使うのは、登記簿に記載されている壁の内側で測定した「内法面積」である。壁の中心から測るのと壁の内側から測るのとでは、当然、壁の中心から壁の内側までの厚さの分だけ、登記簿上の内法面積の方が狭くなる。大雑把にいって内法面積は壁心面積の九四%くらいしかない。つまり登記簿上の面積は、程度狭いのである。
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