最も強い震動の周期を、その地震の「卓越周期」といい、卓越周期が建物の揺れを左右するといえる。卓越周期は個々の地震によって違い、また同じ地震でも震度が場所によって異なるように、卓越周期も場所によって違う。これは地盤の性質によるもので、兵庫県南部地震の際、神戸市ではおよそ一・〇秒だった。この一・〇秒を確認すると、低中層建物の固有周期にひっかかってくる。つまり、周期一・○秒の地震波が「キラーパルス」となり、神戸市内の低中層建物に甚大な被害をもたらしたのだ。
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しかし、神戸市で最大の被害を受けたのは木造家屋で、その固有周期はおよそ〇・五秒以下のはず。それがなぜ周期一・〇秒の地震波によって全壊・半壊させられたのか。その理由の一つとして考えられるのは、強い地震では建物の剛性が大幅に低下してしまい、その結果固有周期が長くなった可能性である。地震前は〇・五秒だった固有周期が、強い揺れで長波長のほうに伸び、結果的に一・〇秒近くの地震波にダメージを被ったことが考えられる。また、卓越周期は最も強い地震波の周期であって、地震で発せられた唯一の地震波ではない。一つの地震でも他種類の周期の地震波が発生し、それには長周期のものも短周期のものも含まれる。兵庫県南部地震では、短周期の地震波にも強いものが含まれ、それが木造家屋に被害をもたらした。