年間数十棟、坪単位で分譲する大手になると、そうした個別の対応では、なかなか在庫を一掃できない。このため、2008年6月にはマンション分譲大手の大京、ダイヤ建設などが、自社の在庫物件を一斉に値下げする方針を打ち出した。値下げ幅は最大で10%程度だったが、「公表ベースで10%ということは、実際には個別の交渉でもっと下げるケースも少なくないはず」(中堅分譲会社幹部)という見方が一般的で、いよいよ値下げ競争に拍車がかかることになる。ただ、あまり公表ベースでの値下げ幅を大きくすると、影響が大きいため、モデルルームの家具をサービスする、オプション設備を無料でつけるといった形で実質的な値引き幅を大きくする動きも出てきた。さらに、値下げと同時に成約したお客には別途「100万円プレゼント」といったサービスも増加してきたのは先にも触れた通りだ。分譲会社としては、多少利益率が下がっても、早期に完売しなければ販売経費が増えるばかり。完成から半年、1年も販売事務所を残しておくと、それだけで何千万円もの負担になる。であれば、多少値下げしても早期に売り切って撤収するのが得策という考え方になるのは当然のことだろう。分譲会社のなかには、こうした在庫物件の販売専従部隊を設置する動きも出ている。現地販売事務所とは別に、販売経験豊かなベテランを中心に在庫物件の販売に集中して、短期間で処理しようというわけだ。値下げ幅についても、ある程度の権限を持たせ、客の条件に応じて柔軟に対応できるようにしているといわれる。しかし、それでも、なかなか思ったほどに成果が上がっていないのが現実のようだ。
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